■ 山桜とは、

 

桜の丸太
仕入れ先製材所にて

山桜は、お花見で見られる「ソメイヨシノ」とは異なり里山に古くから自生しており、和歌にも数多く詠まれ日本人に親しまれてきました。春の訪れとともに山々に白っぽい花が咲いている樹木を見かけたことがあると思います。また奈良県吉野の一面の桜に代表される各地の桜の名所を彩っている木でもあります。昔から高級家具をはじめ、楽器や版画などに使われてきましたが、材が希少なためそれほど一般的ではなかったかもしれません

 

 木質は重厚な部類に属し強靭、木肌は緻密で艶があり鉋をかけたあとの桜は最高です。散孔材に属するため木目は穏やかで、落ち着いたブラウンの色合いは内装の和風、洋風を問わず馴染みやすいです。燻製の「桜チップ」として使われるとおり、大変甘い香りを家具の製造過程において味わっています。(製品になると塗装もあり香りは楽しめません)

 

 ただ桜は希少性が高いためか、過去において建築業界では桜に似た樹木を通称で「サクラ」と呼んでいたこともあります。現在でも「樺桜」と言われていますが、これは桜とは異なる樹種です。

 

 また他の天然木と同様、同じ樹種でも環境の違いなどによりその木目や色合いが大きく異なる場合があります。山桜は亜種が多いことでも有名で、そのため各丸太ごとにさまざまな表情を見せてくれます。

 

 家具工房つなぎでは、国産の北海道、東北地方の山桜のみを材料として常時ストックしておりますため、異なった木目、色合いもできるだけうまく使い分け家具に仕立てておりますが、天然木ゆえの木目、色合いの違いがあることを予めご了承頂ください。さらに従来は用材としては避けられていた「節」や「白太」といった部分も適材適所に、場合によってはデザインとして使用しております。

 

 ショールームに訪れる誰もが、桜材の持つその滑らかな手触りに魅了されます

 ぜひあなたも実物を味わってみてください。

 

 

 

■ バラ科サクラ属

 

■ 落葉広葉樹/散孔材

 

■ 気乾比重 約0.65

 


 

■ 写真で見る桜材の特長